米粉とは

米粉のいいところ & 米粉の選び方

米粉の
いいところ

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米粉はグルテンフリー。
体にやさしい食材です。

米粉

グルテンは小麦などの穀物に含まれるタンパク質で、水といっしょに捏ねることで、生地に粘りと張力を与えます。
強いグルテンを持った強力小麦粉はしっかりした生地を作るのに向き、パンが膨らんだ状態を保持するのにも大切な役割を果たしています。

グルテンを形成するのはグリアジンとグルテニンという2つのタンパク質ですが、これらは小麦アレルギーの原因となる物質です。アレルギー症状が出てしまう人は、グルテンの摂取を避けなければなりません。
そこで注目されたのが、お米から作られた「米粉」です。

米粉には、グルテンが含まれていませんので、小麦粉の代わりに米粉を使うことで、グルテンアレルギーの方も安心して召し上がれます。
また、グルテンは消化する際、胃腸に負担をかけると言われています。小麦アレルギーのない人にとっても米粉を使った料理は、消化しやすく体にやさしい食べ物と言えます。

米粉の
いいところ

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米粉は低カロリーでヘルシー

米粉

小麦粉と米粉のカロリーは、実際にはそれほど大きな差はありません。
しかしパンを焼いた場合には、米粉パンの方が水分を多く含むため、同じ重さの小麦粉パンよりもカロリーが低くなります。

また、天ぷらやフライなどの衣に使った場合にも、小麦粉より米粉の方が、カロリーを低く抑えることができます。これは油の吸収率の違いによるもので、小麦粉の吸油率が50%弱なのに比べ、米粉は30%程度です。
米粉の衣は油を吸わないので、冷めてもべちゃっとなりにくく、サクッとした食感が持続します。

米粉の種類

米粉

米粉はお米を挽いた粉で、古来より、せんべいや和菓子、お団子などの材料として使われています。また、海外においても、ビーフンやベトナム料理のフォーなどは米粉で作った麺です。

米粉の種類は、大きく分けると「うるち米」を原料に使っている米粉と「もち米」を原料に使っている米粉に分かれます。
また、製法による違いもあって、一度お米を蒸してデンプンを糊化(アルファ化)させてから乾燥したのち粉にした米粉(アルファ型)と、生のお米のまま製粉した米粉(ベータ型)にわかれます。

米粉の種類

もち米を原料にした米粉には「もち粉」や「白玉粉」があり、うるち米を原料にした米粉には、「上新粉」や「上用粉」、「だんご粉」などがあります。

最近注目されている米粉は、うるち米を原料にしたベータ型の米粉で、製粉の技術が進んで作られるようになった微細な粒子の米粉です。
また最近の米粉は、上新粉などに比べ、でんぷん損傷率が低いことも特徴のひとつです。
粒子の細かさや、でんぷん損傷率の低さによって、今までの米粉では利用が難しかった、パンやケーキ、クッキーなどの洋菓子にも利用できるようになりました。

米粉の
選び方

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米粉の選び方(1) 粒の大きさ

米粉

米粉を選ぶ際、まずチェックしたいのが粒度(粒の大きさ)です。
米粉の粒の大きさは、通常、製粉機の網の目の大きさで表され、「メッシュ」や「ミクロン」などの単位が使われます。
メッシュ値とは1インチ(2.45センチ)の網に目(穴)が何個あるかをあらわす単位。1インチに70個の目がならんでいる場合は70メッシュということで、70メッシュは逆算すると一つの網目が0.243mmとなります。
ミクロン値は穴の目開きが何ミクロンかを示す値です。
現在売られている米粉には、30ミクロンくらいの微細粒の米粉から、120ミクロンくらいのものまで、いろいろな種類があり、米粉の粒の大きさによって、どんな使い方が向いているかが変わってきます。例えば、米粉パンを焼く場合には、粒径の小さい米粉の方が適していると言われています。
ちなみに上新粉の粒径は180ミクロン程度、小麦粉は60ミクロンくらいです。

メッシュ・ミクロン換算表

米粉の
選び方

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米粉の選び方(2) アミロース含量

お米の主成分である「でんぷん」には、「アミロース」と「アミロペクチン」という2種類のでんぷんがあるのですが、もち米とうるち米では、この2種類の含量が異なります。
もち米は、アミロペクチン100%のお米なのに対し、うるち米は、アミロースが17%〜23%程度含まれています。

このアミロース含量は、お米の品種や、お米が実るまでの期間の気温によっても変化します。
コシヒカリはアミロース含量が低い代表的な品種ですが、一般的に日本では、アミロース含量が低いほど粘りが強く、モチモチして美味しいお米と言われます。

逆にアミロース含量が高いと、ぱさぱさした、さっぱりした食感になります。一般的には「美味しくないお米」とされるわけですが、ゆっくりと消化されるため低GIの食品です。このため、糖尿病予防には、高アミロース米の方が良いとされています。

このアミロース含量は、米粉として利用する場合にも、糊化した際の粘りの強弱などに現れますので、どんな料理に使うかで、使い心地の良さが左右されます。
米粉パンや米粉麺などは、高アミロース米の方が向いていると言われ、ケーキやクッキー、和菓子などの場合は、低アミロース米の方が向いていると言われます。

うるち米のアミロース含量

米粉の
選び方

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米粉の選び方(3) デンプン損傷率

米粉

米粉の特性を決める要因として、もう一つ、デンプン損傷率があります。お米を製粉する際、その製粉方法によって、お米に含まれるデンプンがどのくらい損傷するかが大きく変わります。

デンプン損傷率が高いと、米粉の吸水率が高くなり、生地が重くなってしまいます。米粉パンやケーキなどを焼く場合、デンプン損傷率が低いほうが、ふんわりと焼き上がります。米粉の粒径よりも、このデンプン損傷率のほうが、仕上がりを大きく左右するとも言えます。

一方で、デンプン損傷率が高い場合は、吸水率が高くなる反面、吸水後の生地から水分を吐き出しやすくなる傾向もあるので、天ぷらや揚げ物に米粉を使う場合は、デンプン損傷率の高い米粉の方が、カラッと揚がります。

米粉の
選び方

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米粉の選び方(4) その他

これまで米粉は、くず米や古米、酒米の削りかすなどを原料として作られてきたという経緯があり、味や品質はそれほど重視されてきませんでした。
最近の米粉は、その年に採れたお米を使うのが一般的になってきて、品質も重視されるようになってきました。

とは言うものの、無農薬や減農薬栽培で作られたお米を使用したものから、いろいろな品種のお米をブレンドした原料を使っているものまで、まだまだいろいろあり、価格や品質もそれぞれ異なります。

平成23年7月1日から、米のトレーサビリティ法により、米粉の原料米の産地情報を伝達することが義務づけられています。原料について気になる場合はメーカーに問い合わせてみると良いと思います。